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裏側をいろいろ変えたら少し速くなりました

· 9 min read
Shimba, Koji

今朝メンテナンスを行い、annict.comapi.annict.com が動いているサーバに手を入れました。 主な目的は以前フォーラムに書いたお知らせにあるサーバ費の節約でしたが、結果的にサイトのパフォーマンスが上がった気がします。 せっかくなので記念として今回何をしたのかを記録しておこうと思います。

AWSのアカウントとS3バケットを整理しました

Annictに表示されている画像などはAmazon S3にアップロードされています。 このS3バケットはAnnictを公開したときくらいからずっと使っているもので、 Annict関係のS3バケット以外にも雑多なものがこのAWSアカウント配下で管理されており、散らかっていました。

そのため今回の対応でAWS Organizationsを使ってAnnictの本番/ステージング環境ごとにAWSアカウントを新たに作り、その中に新たなS3バケットやIAMポリシーなどを作るようにしました。 また、S3バケットなどはTerraformを使って作るようにしました。

Annictに関してはTerraform化されたAWSアカウントの中にあるものだけで動くようになりましたが、散らかったAWSアカウントにはまだ色々残っているので、少しずつきれいにしていこうと思います。

imgixからimgproxyに移行しました

imgixはめちゃくちゃ便利で仕事でも使わせてもらっているんですが、個人で使うには料金が高いという問題がありました。 なので今回からimgproxyというOSSな画像変換サーバを使うことにしました。 雰囲気で使えるくらい作り込まれていてとても良いです。

Cloudflareを導入しました

今朝のメンテナンスの前にしれっと導入しました

上に書いたimgproxyはimgixと違いCDNとしての機能は無いので、Cloudflareを経由して配信するようにしました。

あとDNSレコードをPointDNSで管理していたんですが、それをやめてCloudflareに用意されているDNSサービスを利用するようにしました。 別のドメインも管理しているのでまだPointDNSは使い続けていますが、整理を続けたら費用が浮きそうです。

Railsを6.1から7.0にアップデートしました

費用削減とは特に関係ないですが、Railsのバージョンを上げました。 まだ上げただけの状態なので、7から使える便利機能をこれから使ってみたいです。 Relation#load_async が気になってます。

webpackからPropshaftに移行しました

PropshaftはRails 7から使えるものなので、バージョンを上げただけでもありませんでした。

jsbundling-railscssbundling-railsを使ってJSやCSSをビルドするようにしました。 ビルド処理が速くなってとても良いです。

PostgreSQLを11から14にアップデートしました

全然アップデートしていなかったんですが、このタイミングでジャンプしました。 サイトのパフォーマンスの向上に結構な影響を与えてくれている気がします。(たぶん)

HerokuからVultr + Dokkuに移行しました

間違いなくパフォーマンスに良い影響を与えてくれたのはこれだと思います。(たぶん)

東京のサーバで動くようになったので、Herokuのレイテンシ問題が解消しました。 そして今回の対応の目的であるサーバ費用の削減にも繋がりました。

今朝のメンテナンス後の時点ではLinodeのVPSを借りて動かしていたんですが、 メールサーバのポートが閉じられていることに気づき、 サポートに問い合わせても反応が薄かったので、途中でVultrのVPSに切り替えました。 ステージング環境では特に何もしなくてもメールが送れていたので油断していました…。

Dokkuが便利

Herokuのデプロイ環境はとても良く、そんなぬるま湯に浸かりすぎていたので、VPSで今からCapistranoとかを使って頑張るのはちょっとな…と思い、 VPSなどの中でHerokuっぽいことをできるようにしてくれるDokkuを使い始めました。 これがめちゃくちゃ良くできています。この記事で一番伝えたいことはこれかもしれません。

アプリを作り、アドオン的なポジションであるサービスを作ってアプリと連携させるということができるようになっていて、構成がVPSの中でHerokuっぽくなります。 PostgreSQLとかRedisとかはサービスとして作られ、アプリと連携することになります。 データベースのバックアップをS3のバケットにシュッと送れるようになっていたり、 Vectorを使ってログを外部に転送しやすくしてくれていたりなど、 運用のときにやりたいことを手厚くカバーしてくれています。

特に良かったのがHerokuishです。 Herokuが提供してくれているBuildpacksはデプロイするときに良い感じのことをしてくれて便利なんですが、 Herokuishを使うことでHerokuで使っているBuildpacksを使うことができます。 AnnictはHerokuで動かしているとき以下のBuildpacksを使っていたんですが、Vultr + Dokkuに移行してからも使い続けています。 なのでRailsを動かすために自分でDockerfileを書いたりはしていません。

おかげで移行が楽にできて良かったです。

開発者の方も開発だけでなくGitHub IssuesSlack上での利用者からの質問などに素早く対応されていてすごいです。

Thank you Dokku!

ということで今回の諸々の対応により無事いくらかサーバ費用が削減できたので、浮いたお金でDokkuのスポンサーになりました。 Dokkuの開発を長く続けるための一助になれば良いなと思います。

コストが下がってパフォーマンスが上がったAnnictをよろしくお願いします。